「“全員に同じ配信”は今すぐやめろ」店舗LINEで成果を分ける顧客理解とは?

「LINEの配信はしているけれど、反応する人がいつも同じ」

 

「キャンペーンを案内しても、ほとんど予約につながらない」

 

このようなお悩みはありませんか?

 

店舗のLINE公式アカウントでは、登録者全員に同じ内容を一斉配信しているケースが少なくありません。

 

しかし、登録者の状況を考えず、いつも同じ内容を一斉に送っているだけでは、LINEが持つ本来の強みを活かせていない可能性があります。


結論から言うと、店舗LINEで成果を分けるのは、配信回数ではなく、相手の状態をどれだけ理解できているかです。

 

本記事では、

  • 全員に同じ配信をしてはいけない理由
  • 店舗LINEで把握すべき顧客情報
  • 顧客の状態に合わせた配信の考え方

 

などについて解説します。

 

なお本記事は、店舗集客の成果を高めるLINE設計について解説する、全5回の連載コラムの第3回です。

 

第3回となる今回は、LINEに登録した人をどのように理解し、それぞれに必要な情報を届けるのかを掘り下げていきます。

 

 

中川聖悟

【中川聖悟(しょうご)】
株式会社BALSA代表/Lステップ認定コンサルタント
LINE公式アカウントおよび、Lステップの構築・運用支援を基軸にしたマーケティング支援に従事。累計100社以上の企業LINE公式アカウントの立ち上げ運用に携わり、運用したアカウント数は累計300を超える。これまで担当した業種は、フィットネス、クリニック、学習塾、Webスクール、コンサルティング、ECなど、あらゆるジャンルでの運用に対応

 

全員に同じ配信を送ると「自分に関係ない」が増えていく

店舗LINEでよくあるのが、友だち全員に同じ案内を送る運用です。

 

たとえば、パーソナルジムのLINEに、

 

「初回体験受付中」

 

という配信が届いたとします。

 

まだ体験していない人にとっては、必要な情報かもしれません。

 

しかし、すでに会員になっている人にとっては、自分には関係のない案内です。

 

美容クリニックでも同じです。

 

すでに施術を受けた人に対して、何度も初回限定キャンペーンを送れば、

 

「既存客は大切にされていないのでは」

 

と感じられる可能性があります。

 

飲食店であれば、家族向けのコース案内を、一人で利用することが多い人に何度も送っても、反応は得られにくいでしょう。

 

自分に関係のない情報が何度も届けば、メッセージは次第に読まれなくなります。

 

そして最終的には、ブロックにつながります。

 

たとえ月に1回しか送っていなくても、その1回が毎回自分に関係のない情報であれば、ユーザーにとっては不要な配信です。

 

逆に、配信回数が多少多くても、自分に必要な情報が届いていれば、読まれる可能性は高くなります。


問題は、どれだけ送ったかではなく、誰に何を送ったかです。

 

LINEの強みは「全員に届けること」ではなく「必要な人に届けること」

LINE公式アカウントの運用で大事なのは、ユーザーの状態に合わせて、必要な情報を届けられることです。

 

たとえば、複数店舗を展開しているジムがあるとします。

 

東京に住んでいる人と、大阪に住んでいる人では、利用できる店舗が異なります。

 

そのため、新店舗の案内を送る場合も、すべての登録者へ送るのではなく、対象エリアの人へ届ける方が自然です。

 

また、同じ東京在住でも、

 

  • ダイエットを目的にしている人
  • 運動不足を解消したい人
  • 健康維持を目的にしている人

 

では、興味を持つ内容が異なります。

 

ダイエット目的の人には、減量に成功した事例や食事サポートの情報が有効かもしれません。

 

一方で、健康維持が目的の人に、短期間で大幅に痩せた事例ばかりを見せても、自分向けのサービスだとは感じてもらえない可能性があります。


LINEの価値は、登録者を一つの大きな塊として扱うのではなく、それぞれの状況に合わせて案内を変えられることです。

 

性別や年齢よりも「今どの状態か」を把握する

顧客情報を取得すると聞くと、性別や年齢、職業などを思い浮かべる方が多いかもしれません。

 

もちろん、業種によってはこれらの情報が役立つ場合もありますが、店舗LINEで特に重要なのは、属性よりも行動の状態です。

 

たとえば、

 

  • まだ予約していない
  • 予約を完了している
  • 来店前
  • 来店済み
  • 入会を検討している
  • 現在利用中
  • 休会中
  • 退会済み

 

といった情報です。

 

ユーザーが今必要としている情報は、その時点の行動状態によって大きく変わるからです。

 

予約前の人が知りたいのは、

 

  • 料金
  • サービス内容
  • お客様の声
  • スタッフ
  • よくある質問
  • 予約までの流れ

 

などで、

 

予約が完了している人に必要なのは、

 

  • 来店日時
  • アクセス
  • 当日の持ち物
  • 注意事項
  • キャンセル方法

 

などです。

 

来店後の人には、

 

  • 次回予約の案内
  • 入会や継続の案内
  • 利用後のフォロー
  • 自宅で取り組める情報

 

などが必要になります。


このように、同じ人でも時間が経ち、行動が変われば、必要な情報も変化します。

 

顧客理解とは「情報をたくさん集めること」ではない

顧客理解が重要だと聞くと、できるだけ多くの情報を取得しようとするケースがあります。

 

登録直後に長いアンケートを送り、

  • 年齢
  • 性別
  • 住所
  • 職業
  • 家族構成
  • 年収
  • 趣味
  • 来店経験
  • 悩み
  • 希望時期

 

などを細かく聞く。

 

しかし、情報は多ければよいわけではありません。

 

質問が増えるほど、回答するユーザーの負担も増えます。

 

アンケートが長ければ、途中で回答をやめる人も出てきます。

 

その結果、本来予約へ進む可能性があった人を、情報取得の段階で離脱させてしまうかもしれません。

 

また、取得した情報を実際の配信に使わなければ、集める意味はありません。


顧客理解とは、情報をたくさん持つことではなく、次の案内を変えるために必要な情報を持つことです。

 

たとえば、店舗ごとに配信を分けるのであれば、希望エリアを聞く意味があります。

 

悩みごとに案内する事例を変えるのであれば、現在の悩みを聞く意味があります。

 

来店時期によって配信を変えるのであれば、検討時期を聞く意味があります。

 

一方で、配信や提案に使わないのであれば、無理に取得する必要はありません。


質問を考えるときは、


「この回答によって、次に送る内容は変わるか」


を基準に判断しましょう。

 

アンケートは答えてもらうためではなく「分岐させるため」にある

店舗LINEでは、登録直後にアンケートや診断を実施するケースがあります。

 

アンケートの目的は、回答データを集めることだけではありません。

 

回答内容に応じて、その後の案内を変えることです。

 

たとえば、整体院で、

 

「最も悩んでいる症状を教えてください」

 

という質問をしたとします。

 

回答が、

 

  • 肩こり
  • 腰痛
  • 頭痛
  • 姿勢改善

 

に分かれたのであれば、それぞれに案内する内容も変えるべきです。

 

肩こりに悩んでいる人には、肩こりが起きる原因や施術事例を届ける。

 

腰痛に悩んでいる人には、腰痛の改善事例や来院前の注意点を届ける。

 

姿勢改善を目的にしている人には、見た目の変化や継続プランを案内する。


このように、回答を起点にして配信を分けることで、ユーザーは、


「自分の悩みに合った情報が届いている」


と感じやすくなります。

 

何でも細かく分ければ成果が出るわけではない

ここまで配信を分ける重要性を説明してきましたが、細かく分ければ分けるほどよいわけではありません。

 

男性、女性。

 

20代、30代、40代。

 

地域。

 

悩み。

 

来店経験。

 

検討時期。

 

流入経路。

 

これらをすべて掛け合わせると、非常に細かなグループができます。

 

しかし、細分化しすぎると、運用が複雑になります。

 

それぞれに配信を作る必要があり、管理するタグやシナリオも増えます。

 

結果として、

 

「誰に何が送られているか分からない」

 

「設定が複雑すぎて変更できない」

 

「担当者が変わったら運用できない」

 

という状態になる可能性があります。

 

配信を分ける目的は、仕組みを複雑にすることではありません。


顧客に必要な情報を届け、次の行動へ進みやすくすることです。


そのため、まずは成果に直結する項目から分けることをおすすめします。

たとえば、

 

  • 希望店舗
  • 予約前・予約後
  • 来店前・来店後
  • 興味のあるサービス
  • 会員・非会員

 

などです。

 

これらは、案内内容や次の行動が明確に変わるため、分ける意味があります。


管理できる範囲で、成果に影響する情報だけを使う。


これが現実的な設計です。

 

顧客理解がない配信は「売り込み」に見えやすい



同じ内容の配信でも、相手の状態に合っているかどうかで受け取られ方は変わります。

 

たとえば、体験を検討している人に、

 

「今月の体験枠は残り3枠です」

 

と送れば、行動するきっかけになるかもしれません。

 

しかし、すでに会員になっている人へ同じ内容を送れば、ただの不要な案内です。

 

また、しばらく来店していない人に、

 

「新しいプログラムが始まりました」

 

と送るだけでは、反応されないかもしれません。

 

その人が来店しなくなった理由が、

 

  • 忙しくなった
  • 効果を感じられなかった
  • 料金が負担になった
  • 予約が取りづらかった

 

のどれなのかによって、必要な案内は異なるからです。

 

顧客の状態を把握せずに商品案内だけを送ると、すべてが売り込みに見えやすくなります。

 

一方で、相手の悩みや状況に合わせて情報を届けると、

 

「自分に必要な案内だ」

 

と受け取ってもらえます。


売り込みと感じられるか、価値ある情報と感じられるか。


その違いは、文章表現だけではありません。


相手を理解したうえで送られているかどうかです。

 

まとめ:成果を分けるのは配信テクニックではなく「誰に送るか」

店舗LINEで成果を伸ばすために重要なのは、配信回数でも、文章のうまさでもありません。

 

誰に送るかを決めてから、何を送るかを考える。この順番が、店舗LINEの成果を大きく左右します。

 

では、登録者の状態を把握し、それぞれに配信を分ければ、あとはすべて自動化すればよいのでしょうか。

 

実は、LINE運用では、自動化しすぎることで顧客満足を下げてしまうケースもあります。

 

次回は、

 

「自動化すればするほど良い」は危険。来店率と顧客満足を高めるLINE運用とは?

 

をテーマに、自動化するべき業務と、人が対応すべきコミュニケーションの境界について解説します。

 

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