
複数店舗を展開している企業では、店舗ごとにLINE公式アカウントを発行して運用しているケースがあります。
美容サロン、整体院、パーソナルジム、クリニック、スクール、飲食店、会員制サービスなどでは、新宿店、渋谷店、横浜店、のように、店舗単位でLINE公式アカウントを作り、予約案内やキャンペーン情報を配信している企業も少なくありません。
この記事では、複数店舗でLINE公式アカウントを運用している企業に向けて、配信・リッチメニュー・予約管理を店舗別に出し分けながら、一元管理する考え方を解説します。
また、実際に複数店舗の予約管理を一元化した事例も交えながら、どのような設計をすればLINEを集客・予約・再来店につなげられるのかを紹介します。
目次
- 1 複数店舗のLINE運用でよくある課題
- 2 店舗ごとにLINEアカウントを分けるメリットと限界
- 3 LINE運用が「ただのお知らせ配信」になっていないか
- 4 複数店舗LINEを一元管理する考え方
- 5 LINE公式アカウントだけでは難しいこともある
- 6 店舗ごとに流入経路リンクを作成する
- 7 店舗ごとに配信内容を出し分ける
- 8 店舗ごとにリッチメニューを出し分ける
- 9 複数店舗の予約管理を一元化する
- 10 事例:75店舗の会員制インドアゴルフ場で予約管理を一元化
- 11 店舗ごとの特徴に合わせて配信を改善する
- 12 現場の負担を減らすには役割分担が重要
- 13 複数店舗LINEで見るべき数字
- 14 最初から複雑にしすぎない
- 15 複数店舗LINEを一元管理する際の注意点
- 16 複数店舗のLINE運用は、設計で成果が変わる
- 17 まとめ
- 18 【LINE運用で成果を上げたい方へ】お友達1,000人ロードマップ配布中!
複数店舗のLINE運用でよくある課題
複数店舗でLINE公式アカウントを運用している企業からは、次のような相談をいただくことがあります。
- 「店舗ごとにLINEアカウントを作っているが、活用できている店舗とできていない店舗がある」
- 「配信はしているが、それが来店や予約につながっているのか分からない」
- 「各店舗で投稿のクオリティに差が出ている」
- 「本部で全体の数値を把握できていない」
- 「予約管理が店舗ごとに分散していて、全体像が見えない」
- 「担当者が異動・退職すると、LINEを触れる人がいなくなる」
これらは、複数店舗LINE運用で非常によく起きる課題です。
アカウントを作ることより、運用を続けることが難しい
LINE公式アカウントは、店舗ごとに作成すること自体は難しくありません。
しかし、問題はその後の運用です。
店舗ごとにアカウントを発行すると、それぞれのアカウントで、配信設定やデータ分析をする必要があります。
その上、店舗数が増えれば増えるほど管理すべきアカウント数も増えていきます。
その結果、本部側では全店舗を合わせた状況や、個々の店舗での予約状況など確認しづらくなります。

一方で、店舗側も日々の業務に追われています。
接客、予約対応、スタッフ管理、在庫管理、清掃、売上管理など、本来の業務がある中で、LINE配信まで丁寧に行うのは簡単ではありません。

その結果、最初は頑張って投稿していても、次第に更新頻度が落ちていき、配信内容も、今週のお知らせや、キャンペーン案内だけになりがちです。
また画像や文章のクオリティも店舗ごとに差が出やすくなります。
このような状態になると、LINEは集客や予約につながる仕組みではなく、単なるお知らせツールになってしまいます。
店舗ごとにLINEアカウントを分けるメリットと限界
店舗ごとにLINE公式アカウントを分けること自体が、必ずしも悪いわけではありません。
むしろ、店舗単位で情報発信をしたい場合には、分けた方が分かりやすいケースもあります。
たとえば、新宿店に登録したユーザーには新宿店の情報だけを届けられます。
横浜店に登録したユーザーには、横浜店のキャンペーンや空き枠情報だけを配信できます。
店舗ごとに現場担当者が柔軟に配信できるため、急な空き枠案内や地域限定キャンペーンなども出しやすいでしょう。
ただし、店舗数が増えてくると、この運用方法には限界が出てきます。
本部で全体を把握しづらくなる
アカウントが店舗ごとに分かれていると、本部が全体の数値を確認するためには、各アカウントを個別に見る必要があります。
友だち数や予約数などをデータを横断的に確認しようとすると、かなりの手間がかかります。
さらに、店舗ごとに配信内容や運用ルールが統一されていなければ、単純な比較が難しくなります。

この店舗は友だち数が多いから良い、と思っても、実際には予約につながっていないかもしれません。
逆に、友だち数は少なくても、予約率や来店率が高い店舗もあります。
全体を正しく把握するには、店舗ごとの数値を同じ基準で見られる状態を作る必要があります。
ノウハウが店舗ごとに分散する
複数店舗LINEでは、ある店舗でうまくいった施策が、他店舗に共有されないまま終わってしまうことがあります。

しかし、その情報が本部に集約されていなければ、成功パターンを横展開できません。
結果として、LINE運用のノウハウが店舗ごとに閉じてしまい、会社全体として改善が進みにくくなります。
担当者依存になりやすい
LINE運用に詳しいスタッフがいる店舗は、比較的うまく運用できます。
一方で、LINEに詳しい人がいない店舗では、配信が止まったり、最低限のお知らせだけになったりしがちです。
さらに、運用できる担当者が異動・退職すると、誰も管理画面を操作できず、運用できなくなるケースもあります。
特定の担当者のスキルや意欲に依存している状態では、継続的な運用体制とは言えません。
複数店舗のLINE運用では、店舗ごとの柔軟性を残しながらも、本部で全体を管理できる仕組みが必要です。
LINE運用が「ただのお知らせ配信」になっていないか
複数店舗LINEで特に多いのが、LINEが、情報を流すだけのツールになっているケースです。
- 飲食店や学生食堂であれば、今週のメニューやイベントメニューを配信する。
- ジムやサロンであれば、空き枠やキャンペーン情報を配信する。
- クリニックであれば、診療時間や休診日のお知らせを配信する。
もちろん、こうした情報提供も大切です。
ただ、それだけではLINEを十分に活用できているとは言えません。
配信後の行動が見えなければ改善できない
LINE運用で重要なのは、その配信が実際に行動につながっているかどうかです。
たとえば、配信後に以下のような情報が見えているでしょうか。
- 何人が配信を見たのか
- 何人がリンクをクリックしたのか
- 何人が予約したのか
- 何人が来店したのか
- 何人が入会・購入したのか
- どの店舗の配信が成果につながっているのか
ここまで見えるようになって初めて、LINE運用は改善できるマーケティング施策になります。
実際に複数拠点でLINEを運用している企業でも、週に1回は配信しているが、それが集客につながっているか分からない、という悩みは多くあります。
店頭のQRコードや施設内POP、Webサイトなどから友だち追加は発生しているものの、その後の行動や来店への影響が見えない。
このような状態では、現場も本部も、LINE運用を続ける意味を実感しづらくなります。
まずは何を可視化するかを決める
複数店舗LINEでは、最初に、何を見える化するのかを決めることが重要です。
最低限、以下の情報は見えるようにしておきたいところです。

こうした情報を取得できるように設計すると、ただのお知らせツールではなく、店舗ごとの成果改善に使える仕組みになります。
複数店舗LINEを一元管理する考え方
複数店舗のLINE運用を一元管理する際の基本は、1つの管理基盤の中で、店舗ごとに出し分けることです。
すべてのユーザーに同じ情報を送るわけではありません。また、すべての店舗を完全に同じ運用にするわけでもありません。
重要なのは、本部で管理しやすい状態を作りながら、ユーザーには自分が利用する店舗の情報だけが届くようにすることです。
登録時点で店舗を判別できるようにする
たとえば、1つのLINE公式アカウント、または本部で管理できる運用環境の中で、次のようにユーザーを分類します。
- 新宿店の店頭POPから登録した人には「新宿店」タグを付ける
- 渋谷店のWebサイトから登録した人には「渋谷店」「Webサイト」タグを付ける
- 横浜店のInstagramから登録した人には「横浜店」「Instagram」タグを付ける
このように、登録時点で「どの店舗から来た人か」「どの流入元から来た人か」を判別できるようにします。
そのうえで、タグに応じて配信内容やリッチメニュー、予約導線を出し分けます。
- 新宿店のユーザーには新宿店の予約ページを案内
- 渋谷店のユーザーには渋谷店のアクセス情報を表示
- 横浜店のユーザーには、横浜店限定のキャンペーンを配信
このような設計にすれば、ユーザーにとって関係のない情報を送らずに済みます。
本部側では、1つの管理画面で全体の状況を把握しやすくなります。
店舗側は、必要な素材や現場情報を共有するだけで、配信や導線設計は本部主導で整えやすくなります。
つまり、複数店舗LINEでは「本部管理」と「店舗別の出し分け」を両立させることが重要です。
LINE公式アカウントだけでは難しいこともある
LINE公式アカウントには、メッセージ配信、リッチメニュー、クーポン、ショップカード、チャットなど、さまざまな機能があります。
店舗の基本的な情報発信であれば、LINE公式アカウントだけでも運用できます。
しかし、複数店舗で細かく出し分けをしたい場合や、登録経路ごとにユーザーを分類したい場合、予約未完了者へ自動で後追いしたい場合などは、LINE公式アカウントだけでは対応が難しいことがあります。
拡張ツールを使うことで出し分けや分析がしやすくなる
そこで活用されるのが、LINE公式アカウントと連携して使える拡張ツールです。
代表的なツールの一つに、Lステップがあります。
Lステップを活用すると、LINE公式アカウントだけでは難しい細かな配信分岐、顧客管理、アンケート取得、タグ付け、ステップ配信、予約導線の設計、行動履歴に応じた配信などがしやすくなります。
複数店舗LINEでは、たとえば以下のような活用が可能です。
- 店舗ごとの流入経路リンクを作成する
- 登録時に店舗タグを自動付与する
- ユーザーの回答内容に応じて配信を分ける
- 予約していない人にだけ後追い配信を送る
- 予約済みの人にだけリマインドを送る
- 来店済みの人にだけ再来店案内を送る
- 会員と非会員でリッチメニューを変える
- 店舗ごとの予約率や来店率を分析する
このように、複数店舗のLINE運用を一元管理しながら、店舗ごと・顧客状態ごとに出し分けるためには、拡張ツールの活用が有効です。
店舗ごとに流入経路リンクを作成する
複数店舗LINEを一元管理するうえで、最初に重要になるのが流入経路リンクの設計です。
流入経路リンクとは、どこから友だち追加されたのかを判別するための登録リンクです。
店舗名と流入元をセットで管理する
たとえば、以下のようにリンクを分けます。
- 新宿店|店頭POP用リンク
- 新宿店|Instagram用リンク
- 新宿店|Googleビジネスプロフィール用リンク
- 渋谷店|店頭POP用リンク
- 渋谷店|Webサイト用リンク
- 横浜店|広告用リンク
このように、店舗名と流入元を分けてリンクを作成することで、友だち追加された瞬間に「どの店舗から登録されたのか」「どの媒体から登録されたのか」を把握できるようになります。
この設計をしておくと、後の改善が非常にしやすくなります。
たとえば、新宿店はInstagramからの登録が多く、渋谷店は店頭POPからの登録が多い。横浜店はWebサイトからの登録が多い。
このような店舗ごとの登録傾向が見えてきます。
さらに、登録数だけでなく、その後の予約率や来店率まで見られるようにすると、より具体的な改善ができます。
Instagramからの登録は多いが予約率が低い場合、登録後の初回メッセージや予約導線に課題があるかもしれません。
店頭POPからの登録は少ないが来店率が高い場合、店頭導線の露出を増やすことで成果が伸びる可能性があります。
広告からの登録は多いがブロック率も高い場合、広告の訴求とLINE内で提供している情報にズレがあるかもしれません。
複数店舗LINEでは、まず登録時点でユーザーを正しく分類することが重要です。ここが曖昧なままだと、その後の配信や分析も曖昧になります。
店舗ごとに配信内容を出し分ける
流入経路リンクで店舗を判別できるようになったら、次は配信内容の出し分けです。
複数店舗LINEで避けたいのは、全員に同じ情報を送り続けることです。
新宿店を利用している人に、横浜店のキャンペーン情報を何度も送る。未予約の人にも会員向け情報を送る。既存会員にも初回体験キャンペーンを送る。
こうした配信は、ユーザーにとってノイズになります。
関係のない配信はブロックの原因になる
LINEは、メールよりも日常的に開かれるコミュニケーションツールです。
だからこそ、関係のない情報が届くと、ユーザーはすぐに「自分には関係ない」と感じます。
それが続けば、メッセージを見なくなったり、ブロックにつながったりします。
店舗ごとのタグを活用すれば、こうした不要な配信を減らすことができます。
たとえば、新宿店のユーザーには新宿店の空き枠情報を配信し、渋谷店のユーザーには渋谷店のスタッフ紹介を配信する。横浜店のユーザーには、横浜店限定キャンペーンだけを届ける。
さらに、顧客状態に応じて配信を分けることもできます。

このメッセージはイメージです。
このように、店舗別と顧客状態別を組み合わせることで、よりユーザーに合った配信ができます。
LINE運用で成果を出すためには、「何を送るか」だけでなく、「誰に送るか」が重要です。
店舗ごとにリッチメニューを出し分ける
複数店舗LINEでは、配信だけでなくリッチメニューの出し分けも重要です。
リッチメニューとは、LINEのトーク画面下部に表示される固定メニューのことです。
予約、アクセス、料金、クーポン、スタッフ紹介、よくある質問など、ユーザーに見てほしい情報への導線として活用できます。
利用店舗に合わせたメニューを表示する
店舗ごとにLINEアカウントを分けている場合は、各店舗でリッチメニューを作成できます。
一方で、一元管理する場合でも、ユーザーのタグに応じてリッチメニューを出し分ける設計が可能です。

このリッチメニューはイメージです。
たとえば、新宿店に登録したユーザーには、新宿店の予約ページ、新宿店のアクセス、新宿店のスタッフ紹介、新宿店限定キャンペーンを表示します。
渋谷店に登録したユーザーには、渋谷店用の予約ページやアクセス情報を表示します。
これにより、ユーザーは自分が利用する店舗の情報に迷わずアクセスできます。
顧客の状態に合わせてメニューを変える
リッチメニューは、店舗別だけでなく顧客状態別に変えることも有効です。
未予約の人には「初回体験予約」を大きく表示する。
予約済みの人には「持ち物」「アクセス」「予約確認」を表示する。

来店済みの人には「入会案内」「口コミ投稿」「次回予約」を表示する。

会員には「会員専用メニュー」「予約変更」「紹介キャンペーン」を表示することで、LINE内の導線がより分かりやすくなります。

特に実店舗ビジネスでは、ユーザーが知りたい情報はタイミングによって変わります。
このように、ユーザーの状態に合わせてリッチメニューを変えることで、LINEがより使いやすい導線になります。
顧客の状況に合わせたリッチメニューやメッセージの出しわけを行った事例紹介
複数店舗の予約管理を一元化する
複数店舗LINEで特に効果が出やすいのが、予約管理の一元化です。
店舗ごとに予約対応を行っていると、予約状況が分散しやすくなります。
本部側では、どの店舗で何件の予約が入っているのか、どの店舗で予約未完了者が多いのか、どの店舗で来店率が低いのかを把握しづらくなります。
また、店舗側にとっても、予約対応は大きな負担です。
予約希望日時の確認、空き状況の確認、予約確定の連絡、前日リマインド、キャンセル対応、予約変更対応などを手作業で行っていると、スタッフの工数は増えていきます。
予約前後の連絡を自動化する
LINEを活用すれば、予約導線の一部を自動化できます。
たとえば、
- 友だち追加後に初回体験の予約フォームを案内する。
- 予約していない人にだけ後追いメッセージを送る。
- 予約が確定した人にリマインドを送る。
来店前日には、持ち物やアクセス情報を送ることもできます。

実際にシュミレーションゴルフのアカウントで配信している予約日前日のリマインドメッセージ
来店後には、入会案内や次回予約の案内を送ることで、次の行動につなげられます。
このような流れを作ることで、店舗ごとの予約対応を効率化できます。
登録から入会までをファネルで見る
さらに、登録から予約、来店、入会までをタグで管理すれば、ファネル分析も可能になります。
- 登録した人のうち、何人が予約したのか。
- 予約した人のうち、何人が来店したのか。
- 来店した人のうち、何人が入会したのか。
下記のような数値が店舗ごとに見られるようになると、課題が明確になります。

この数値はイメージです。
登録数は多いが予約率が低い店舗もあれば、予約数は多いが来店率が低い店舗もあります。
来店数は多いのに入会率が低い店舗もあるでしょう。
このように、店舗ごとに改善すべきポイントは異なります。
複数店舗のLINE運用では、全店舗に同じ施策を打つのではなく、店舗ごとの課題に合わせて改善することが大切です。
事例:75店舗の会員制インドアゴルフ場で予約管理を一元化
実際に、複数店舗のLINE運用を一元管理した事例として、会員制インドアゴルフ場を全国に75店舗展開する株式会社Lounge Range様のケースがあります。
同社では、もともと店舗ごとにLINE公式アカウントを運用していました。
各店舗のLINEで初回体験の申し込みを受け付けていましたが、ステップ配信やメッセージ配信は特に行っておらず、予約誘導や後追いの仕組みは十分に整っていない状態でした。
そこで、LINE公式アカウントと連携して使える拡張ツールを導入し、複数店舗の予約窓口を一本化しました。
友だち追加後に初回体験予約へ誘導
構築後は、友だち追加直後に初回体験の予約誘導メッセージを自動で配信する流れを作りました。
申し込みフォームでは、希望日時や店舗情報を入力してもらい、店舗側で空き状況を確認したうえで担当者が返信します。

予約が確定した方には、リマインドメッセージを自動配信。
一方で、友だち追加後にまだ予約を完了していない方には、10日間ほど後追いメッセージが配信されるように設計しました。
これにより、登録直後から初回体験予約までの導線を整えることができました。
来店・入会時のQR読み込みで行動を可視化
同社では、体験来店時や入会時にQRコードを読み込んでもらい、ユーザーにタグが付与される仕組みも構築しました。
これにより、以下のような流れを可視化できるようになりました。
- LINE登録
- 初回体験申し込み
- 体験来店
- 入会
この流れを店舗ごとに確認できるため、どの店舗で予約率が低いのか、どの店舗で来店率が落ちているのか、どの店舗で入会につながりやすいのかを把握できます。
さらに、初回体験に申し込んだ人の性別や年代などのデータも店舗ごとに確認できるようになりました。
これにより、各店舗の特徴や課題に合わせた施策を検討できるようになっています。
データをもとに配信タイミングも検討
また、予約フォームの回答データから、ユーザーが回答した曜日や時間帯に傾向がないかを分析する取り組みも行われました。
もし申し込みが多い曜日や時間帯が分かれば、そのタイミングに合わせてメッセージを送ることで、予約率向上につなげられる可能性があります。
この事例では、導入後に急激に初回体験数が増えたというよりも、リマインド配信の自動化やデータ分析によって、業務効率化と改善体制づくりが進みました。
複数店舗LINEの一元管理は、単に予約数を増やすだけの施策ではありません。
現場の工数を削減し、本部が全体を把握し、店舗ごとの課題をデータで見えるようにするための仕組みでもあります。
この導入事例の詳細はこちらから
店舗ごとの特徴に合わせて配信を改善する
複数店舗を運営していると、店舗ごとに客層や利用目的が異なります。
同じブランドであっても、駅前店舗と郊外店舗では利用者の属性が違うことがあります。
たとえば、ビジネス街の店舗では平日夜の予約が多く、住宅街の店舗では土日の利用が多いかもしれません。
学生が多い店舗では低価格メニューの反応が良く、ファミリー層が多い店舗では紹介キャンペーンが機能しやすいこともあります。
数値が見えると店舗ごとの違いに気づける
LINEアカウントが分散していて、数値が見えない状態では、こうした違いに気づきにくくなります。
複数店舗LINEを一元管理し、店舗ごとの登録数、予約数、来店数、入会数、クリック率、ブロック率などを確認できるようにすると、店舗ごとの特徴が見えてきます。
その結果、店舗ごとに改善策を変えられるようになります。


このように、LINEの数値を見ることで、店舗ごとの課題に合わせた改善ができます。
LINE運用は、配信して終わりではありません。配信後の反応を見て、次の施策を改善していくことが大切です。
現場の負担を減らすには役割分担が重要
複数店舗LINEを運用するうえで、もう1つ重要なのが、本部と店舗の役割分担です。
すべてを店舗任せにすると、配信品質にばらつきが出ます。一方で、すべてを本部だけで管理しようとすると、現場ならではの情報発信が遅くなります。
そのため、複数店舗LINEでは、本部と店舗の役割を明確に分けることが重要です。
本部は設計、店舗は素材提供を担う
おすすめは、以下のような分担です。
本部は、LINE全体の設計や数値管理、ブランドの統一を担当します。

店舗は、写真などリアルな情報を共有します。

この形であれば、店舗ごとのリアルな情報を活かしながら、配信の品質やブランドイメージを本部側で統一しやすくなります。
現場担当者が毎回ゼロから文章を考える必要はありません。
本部がテンプレートを用意し、店舗は必要な素材だけ共有する。または、本部や外部パートナーが配信文やクリエイティブを作成し、店舗側は確認だけ行う。
このような体制にすると、現場の負担を減らしながら、LINE運用の質を保つことができます。
役割が曖昧だと運用は止まりやすい
複数店舗LINEでは、ツールの導入以上に、運用体制の設計が重要です。
- どこまで本部が管理するのか
- どこまで店舗が対応するのか
- 誰が数値を見るのか
- 誰が改善案を出すのか
- 誰が配信内容を作るのか
こうした役割を決めておかないと、せっかく仕組みを作っても運用が続きません。
複数店舗LINEで見るべき数字
複数店舗LINEを改善する際、最初から複雑な分析をする必要はありません。
まずは、店舗ごとの成果を比較できる基本的な数字を見ることが重要です。
最初に確認したい基本指標
最低限、以下の数字は確認できるようにしておきましょう。
- 店舗ごとの友だち追加数
- 流入経路ごとの登録数
- 予約申し込み数
- 予約未完了者数
- 来店数
- 入会数
- 店舗ごとの予約率
- 店舗ごとの来店率
- 店舗ごとの入会率
- 配信のクリック率
- ブロック率
これらの数字を見ることで、店舗ごとの課題が見えてきます。
たとえば、登録数は多いのに予約につながっていない店舗があるかもしれません。この場合、登録後の初回メッセージや予約フォームに課題がある可能性があります。
予約は入っているのに来店率が低い店舗があれば、リマインド配信やアクセス案内、予約前日の不安解消が不足しているかもしれません。
来店はあるのに入会や購入につながっていない場合は、体験後のフォローやオファーの伝え方を見直す必要があります。
また、ブロック率が高い店舗があれば、配信頻度や内容がユーザーに合っていない可能性があります。
LINE運用では、「なんとなく反応が悪い気がする」ではなく、「どの店舗のどの段階で数字が落ちているのか」を見ることが大切です。
最初から複雑にしすぎない
複数店舗LINEの一元管理と聞くと、最初から細かく設計しなければならないと思うかもしれません。
しかし、最初から複雑にしすぎると、かえって運用が続かなくなります。
店舗別、流入元別、会員種別、来店回数別、興味別、年齢別、性別、利用目的別、など、分類しようと思えば、いくらでも細かくできます。
ただし、現場で使いこなせない設計にしてしまうと、結局誰も運用できなくなります。
まずは3つの情報から始める
最初は、以下の3つだけでも十分です。
- どの店舗のユーザーか
- どこから登録したユーザーか
- 現在どの状態のユーザーか
たとえば、新宿店/Instagram/未予約、という情報が分かるだけでも、配信はかなり変えられます。

このように、基本的な出し分けができるようになります。
運用に慣れてきたら、来店回数、興味メニュー、購入履歴、休眠期間、アンケート回答などの情報を追加していけばよいでしょう。
複数店舗LINEでは、最初から完璧を目指すよりも、まずは管理しやすい設計を作ることが大切です。
複数店舗LINEを一元管理する際の注意点
複数店舗のLINE運用を一元管理する際には、いくつか注意点があります。
既存アカウントをどう扱うか
すでに店舗ごとにLINE公式アカウントが存在する場合、それらをすぐに1つへ統合できるとは限りません。

急にアカウントを変えると、ユーザーが混乱する可能性があるため、一定期間は既存アカウントと新しい一元管理アカウントを併用し、段階的に移行する方法もあります。
店舗ごとの情報が埋もれないようにする
一元管理すると、本部で管理しやすくなる一方で、現場ならではの情報が出にくくなることがあります。
そのため、店舗から情報を集めるルールを作る必要があります。

このように、現場情報を本部に集約する仕組みが必要です。
全体配信に頼りすぎない
一元管理すると、つい全体配信をしたくなります。
しかし、全員に同じ情報を送り続けると、ブロック率が上がる可能性があります。

店舗ごと、顧客状態ごとに配信対象を絞り、必要な人に必要な情報を届けることが大切です。
運用担当者を明確にする
ツールを導入しても、誰が管理するのかが曖昧だと運用は止まります。

本部担当者、店舗担当者、外部パートナーの役割を整理し、定期的に数値を確認する体制を作ることが重要です。
複数店舗のLINE運用は、設計で成果が変わる
複数店舗のLINE運用で成果を出すためには、配信文や画像だけでなく、全体の設計が重要です。
- どの店舗から登録した人なのか
- どの流入元から登録した人なのか
- その人は予約前なのか、予約済みなのか
- 来店済みなのか、未来店なのか
- 会員なのか、非会員なのか
- 次にどんな行動をしてほしいのか
これらを整理したうえで、配信、リッチメニュー、予約導線、フォロー配信を設計する必要があります。
LINEは情報発信ツールではなく、行動導線である
LINEは、単に情報を送るためのツールではありません。ユーザーの状態に合わせて、次の行動を促すための導線です。
複数店舗の場合、この導線が店舗ごとに分断されやすくなります。
だからこそ、本部で全体設計を行い、店舗ごとに適切な情報を出し分ける仕組みが重要です。
まとめ
複数店舗でLINE公式アカウントを運用している場合、店舗ごとにアカウントを分けるだけでは、管理が煩雑になりやすくなります。
特に、店舗数が増えるほど、配信内容のばらつき、リッチメニュー更新の手間、予約対応の分散、数値管理の難しさが課題になります。
また、LINEが「ただのお知らせ配信」になってしまうと、実際に予約や来店につながっているのか分からず、改善も進みにくくなります。
複数店舗LINEを一元管理する際に重要なのは、すべてのユーザーに同じ情報を送ることではありません。
本部で全体を管理しながら、店舗ごと・顧客状態ごとに配信内容やリッチメニュー、予約導線を出し分けることです。
店舗ごとのLINE運用に課題を感じている場合は、まずは現在のアカウント数、配信内容、予約導線、数値管理の状況を整理するところから始めてみてください。
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